200本は達成できませんでしたが、そこそこの数はこなしたつもりです。しかし、これぞという作品にはなかなか出会うことが出来ず残念です。そういう時は、いつも昔の名作を見直すのです。たとえば、「東京物語」とか「二十四の瞳」とかを、、、何回見ても心が洗われる思いがします。
一月
「霧の旗」「17歳」「地と骨」「華の乱」「ゴッドファーザー」1,2,3、「首領になった男」「エヂット ピアフ」「眉山」「ハードパニッッシャー」「プリズナー」「ラストミッション」「渇き」「ザ ベイ」「ユニット7」「コンデイション」「マイブラザー哀しみの銃弾」「オールド ボーイ」「エヴァの告白」「ローンサバイバー」「超高速参勤交代」「チェンジリング」「隣人」「アナタを抱きしめる日まで」「11.6最強の現金強奪犯」
「ゴッドファーザー」三部作は毎年正月の恒例行事です。そして、いつも年末になると「今度は、何を見ようか」と悩みます。その時ふっと思いついたのが松本清張の「霧の旗」です。今風に表現するとリヴェンジアンドサスペンスです。
ある田舎娘が自分の弟の冤罪を晴らすために熊本(たしか?)から夜行列車に乗って、なけなしの僅かのお金を持って東京の一流の弁護士に依頼するためにやってくるのですが、もちろんあっさり断られます。そこからどんどんストーリーが展開し、その田舎娘が自分の身をなげうって、その高名な弁護士を誘惑し、ついには立場が逆転するという怖い話です。だんだん強くなっていく倍賞千恵子演じる娘と、だんだんだめになる弁護士が大変上手く描かれていて面白いです。
二月
「ルーシー」「ヴィオレッタ」「永遠のゼロ」「バトルフロント」「マダムインニューヨーク」「トランセンデンス」「ザ ホスト」「アンダーザスキン」「M1 5」「パークランドケネデイ暗殺」「クリスチー」「フライトゲーム」「新しき世界」「ある貴婦人の過ち」「マレフィセント」
二月はいつもヒマなのに、あまり本数が延びませんでした。その中でも比較的面白かったのが「マダムインニューヨーク」です。婚礼の招待状をもらったインドの普通の家庭のおばさんが生まれて初めてニューヨークへ行くという話しです。英語が話せないので、とりあえず英会話教室へ行き英語を勉強することから始まるのですが、なんともいえず、心温まる秀作だと思いました。話の内容はなんともないことなのですが、何故かぐんぐん引き込まれていく感覚の映画でした。それは主人公であるインドのマダムが大変美しいのです。やっぱり美人は得ですね。
三月
「ローンサバイバー」「テルマエ ロマエ2」「八月の家族たち」「複製された男」「ゲッタウエイ スーパースネイク」「サイドパーソン」「私の男」「猿の惑星 新世紀」「タイピスト」「友よサラバと言おう」「ザ ホスト」「サボタージュ」「私は生きていける」「殺人の疑惑」「明智光秀」
三月の中で一番良かったのは「タイピスト」です。内容は全く違いますが、ちょうど「シェルブールの雨傘」のような大変美しい
ヴィジュアルで表現した映画です。フランスの田舎の美しいタイピストが、いかに早く印字するかというコンテストで優勝し、その美人タイピストがフランスで一番となり、どんどん有名になって最後は全米ナンバーワンのタイピストと競い合い勝つという話です。ただそれだけの単純なストーリーなのですが、ものすごくファッショナブルでキレイなのです。タイピストなんて50年ぐらい前の話で今のパソコンの世界では通用する話ではないのですが、とりあえず美しい映画です。おすすめの1本です。
四月
「エイリアン インフェクシオン」「ジャージーボーイズ」「デッドフォール」「グランドブダベストホテル」「蠢動」「アデル ブルーは熱い色」「ハンナ」「ヒドゥン フェイス」「つぐない」「360」「切腹」「二十四の瞳」「フルスロットル」「青天の霹靂」「デッドマンダウン」「ワイルドカード」「フューリー」「雨月物語」
「切腹」「二十四の瞳」「雨月物語」は、もう何回見たか分かりません。この私のブログでも何回も書きました。チョット趣は違いますが「ハンナ」もそうです。コレは決して名作ではないと思いますが私の大好きなシアーシャ ローナンが主役で、めちゃくちゃ可愛くてめちゃくちゃ強い、そのアンバランスが楽しいのです。
ここで紹介したいのは「アデル ブルーは熱い色」です。チョット不思議な感覚のレズビアンの映画ですが、こんな可愛い女の子がなぜと思う一面と、女の子同士がひかれあい、どうにもならない切ない気持ちになっていく過程を二人の目の動きで表現していくという、なんともいえない恋愛映画です。おっさんが見る映画ではないのですが、、、
五月
「舞妓はレデイ」「ドミノ」「ライディング ザ ブレッド」「スパイダー フォレスト」「スカーレット レター」「イコライザー」「喰い女」「故郷の香り」「ダイバージェント」「Xメン フューチャー アンド パスト」「ファーナス 訣別の朝」「ゴーンガール」「アイアンソルジャー」「ランナウエイ 逃亡者」「怪しい彼女」「石榴坂のあだ討ち」「96時間 レクイエム」「太秦ライムライト」
「舞妓はレデイ」が良かったです。さすが周防監督です。見ているお客さんが喜ぶツボを良く知っていて大変楽しい作品でした。東北から出てきた田舎娘が京都の祇園で修行に励み立派な舞妓になるという話をミュージカルにした映画でテンポもよく楽しく見られました。やっぱり冨士純子がよっかたです。
それと「ゴーンガール」です。さすがデヴィット・フィンチャーです。あえて、あらすじは言いませんが一言で言うとべっぴんは怖いと言う話です。期待してダメだったのが「太秦ライムライト」でした。
六月
「悪魔は誰だ」「十三人の刺客」「明日を夢見て」「ケープタウン」「旅人は夢を奏でる」「レッド ファミリー」「記憶探偵と鍵のかかった少女」「ワイルド カード」「神様の言うとおり」「マダムマロリーの魔法のスパイス」「誰よりも狙われた男」「ラスト エクソシスト」「パリ カウントダウン」「アルフィー」「サスペクト 哀しき容疑者」
なんといってもラッセ ハルストーレムの「マダム マロリーの魔法のスパイス」です。なんでもない話をぐんぐんと上手に見るものを引き込んでいくワザはやはり一流の監督の力量なのですね。主役のヘレン ミレンの演技が抜群です。見終えたときにほっとする、そしていつまでも記憶に残るいい映画です。
「神様の言うとおり」言いたくはないのですが、なんでこんな映画を作ったのでしょうか?私には全く理解できません。
七月
「ザ バッグマン」「友よ静かに眠れ」「寄生獣」「スパイ レジェンド」「インターステラー」「フランキーとアリス」「泣く男」「コーヒーをめぐる冒険」「ザ レイド ゴクドウ」「ランボー 最後の戦い」「罪の手触り」「ブルースリー マイブラザー」「動乱」「エージェント コール」「操り人形」「オオカミは嘘をつく」「蜩の記」
「泣く男」も「悪魔は誰だ」もそうですが最近の韓国の映画はすごいですよ。もう、くどいぐらいに見せ場満載でエンターテインメントは十分です。全く違いますが、ちょうど昭和30年代の日本映画の全盛期のような活気を感じます。
悪く言えば、ハリウッド映画のパクリやフランスやイタリヤのラブロマンスのまねが多いように思われますが、しかしそれを韓国流にアレンジして新しい感覚に仕上がってると思います。ある意味、韓国流というものが出来上がっており、どの映画もユニークでしかも力強く面白いです。
八月
「チャーリー モルデカイ」「ブラックハッカー」「監視者たち」「日本の一番長い日」「コードネーム プリンス」「ハイローナイトメアー」「リアリティーのダンス」「リスボンに誘われて」「ジャッジ」
八月はいつもヒマなのに、あまり見られませんでした。岡本喜八監督が、たしか七月になくなられたので彼の代表作である「日本の一番長い日」を見たくなり、盆休みの暑い昼間に部屋をチョット薄暗くして、エアコンを強めにかけて集中して観賞しました。2.26事件を描いた作品ですが、大変緊張感みなぎる作品です。もちろん白黒です。今のこの平和な日本の若い人達なら、日本であんなクーデターがあったなんて考えられないと思います。戦後、憲法9条のおかげで日本はずーっと平和ですが、その生ぬるい湯に浸かっているのでちょっと平和ボケしておりもう少し世界情勢を観察し緊張感を抱いたほうがいいと思いますが、私のこのブログで論ずる話題ではありませんね。ごく最近、役所広司主演でこのリメイクが封切られたようです。早くみたいですね。
九月
「紙の月」「アメリカンスナイパー」「エクソダス」「プリデストネーション」「パラダイス愛」「パラダイス希望」「パラダイス神」「アルマナック」「シェッフ」「宮本武蔵」「パワーゲーム」「ブラックレイン」「インツウザウッヅ」「日本の悲劇」「デビルズノット」
なんと言っても「アメリカンスナイパー」でしょう。いつも私のブログで言ってますがクリントイーストウッドはすごいです。この映画の前の作品である「ジャージーボーイズ」もめちゃくちゃ良かったです。ところが、全く異なるタッチのこの「アメリカンスナイパー」は手に汗握る緊張感溢れる映画でした。クリントイーストウッドはあの歳でなぜココまでエネルギシュな作品を創れるのでしょうか。「ローハイド」の時代から知っているわれわれ世代は彼はヒーローです。もっともっと新しい作品を創って欲しいです。
十月
「ザ ゲスト」「毛皮のヴィーナス」「メビウス」「おやすみなさいを言いたくて」「さまよう刃」「ポイントブラック」「ガン アンド ゴールド」「プロミスランド」「バードマン」「チング」「ドムヘミングエウエイ」「ブルージャスミン」「ママ」「フォーカス」「龍三と七人の子分たち」「セッション」「ランオールナイト」
このつきは、割と話題作に出会えました。マズ一つ目は「おやすみを言いたくて」イスラムの自爆テロと女性戦場カメラマンの話ですが、私は監督が言いたいだろうと思われることとは別にちょっと違う角度で見たのですが、同じ年頃の女の子が生まれた場所の違いでコレほどまでに運命が変わってしまうのかという恐ろしさに心傷むものを感じました。イスラムステートの宗教の力は怖いですね。それと「さまよう刃」も「ポイントブランク」も大変面白い韓国映画です。話題作は「バードマン」でしょう。最近、人気急上昇のアレハンドロ ゴンザレス イナリトウ監督の作品ですが、確かに緻密でよく出来た作品だと思いますが、いわゆる長回しでワンカットがながく、しかもハンデイカメラの場面が多く、また現実の話と自分の想像の話が入り混じりたいへん凝った難しい作品だと思いました。気楽に見られたのは、北野タケシの「龍三と七人の子分たち」です。北野たけしの自信過剰と悪ノリ場面が多いのですが、コメデイとしては、いいと思います。私の偏見と勝手な判断はいけませんが、ビートたけしの外国の評価があまり理解できません。それと私としては、やっぱり一番は「セッション」でしょうか。ニューヨークの音楽学校の生徒とめちゃめちゃ厳しい先生の話ですが、その教え方たるや、すざましく、ストーリーなんてほとんどありません。昔の「愛と青春の旅立ち」と何かチョット似たような映画でした。次に、なんと行っても私の好きなリーアム ニーソンのアクション映画で「ラン オール ナイト」でしょうか。リーアム ニーソンの出演する映画は多少内容が違うだけで、中年のおっさんがメチャメチャ強い話です。ちょうどの日本のやくざ映画の爽快感と似たものがあり楽しいです。
十一月
「ツモロウランド」「インヒアレント ヴァイス」「ミッシング デイ」「リヴェンジ オブ ザ グリーン」「ギリシャに消えた嘘」「縫い裁つ人」「ブラック ダリア」「フォックス キャッチャー」「パーフェクト プラン」「東京物語」
「ギリシャに消えた嘘」はちょっと変わったストーリー展開で「太陽がいっぱい」に似たにおいがする映画でした。それと「フォックス キャッチャー」も面白かったです。アメリカの富豪が単に自分の趣味であるレスリングの競技を私物化し、それにどんどんのめりこんでいき、最後は自分の身を破滅させると言う話ですが役者の演技が際立つアメリカらしい映画でした。それと、また「東京物語」見てしまいました。自分でもアホと違うかと思いましたが、やはり名作だと思います。なぜ又見たいと思ったかと言うと、最近やたらと、外国人が「東京物語」を高く評価しているで、もういっぺん見直そうと思いました。日本人が「東京物語」をいいと思うのは分かるのですが、ヨーロッパやアメリカの人が戦後の日本の貧しくとも気品高くプライドを持って生きようとする日本人というものと、またその家族とのかかわりを高く評価しているのでしょう。
十二月
「ファインド アウト」「チャーリーと六人の悪党たち」「ファミリーシークレット」「モンスター変身する美女」「パーフェクト メモリー」「イミテーション ゲーム」「ラスト リヴェンジ」「天才スピヴェット」「その怪物」「最後まで行く」「うなぎの男」「ブラック ハット」「カイト」
「その怪物」「うなぎの男」「最後まで行く」とたてつずけに三本韓国映画を見ました。どれもそれなりに面白いのですが「最後まで行く」が一番面白かったです。黒澤明がよく言っていた、鰻どんぶりにステーキをのせカレーをかけたような、これでもか、これでもかと言う見せ場満載のてんこ盛りの映画でした。とりあえず面白いです。ちょっと軽率な刑事が夜勤あけに自分のお母さんがなくなった連絡が入り、あわてて葬儀場へ急行するのですが、雨が強く降っていて見通しが悪いのと疲れているのとで、人を轢いてしまうのです。 「うあー どうしょう!」自分が刑事であるということで、とっさの判断でその死体をトランクに載せて、とりあえず母親の葬儀会場に行くのです。そして、あろうことか、その死体を母親の棺おけの中へ入れるのです。あくる日に土葬されれば、それで終わり、と判断したのでしょう。さあ、そこから話が始まります。ぜひ一度見てください。最後まで面白いですよ。
いつも思うのですが、映画って不思議やなあと思います。それはハリウッドの映画のようにSFXを駆使して、ほんの数分のカットに何十億円もかけて観客をびっくりさせ観た事のない映像に引き込んでいくのですが、結果的には、あまり心に残らず、ただ見せ場だけに終わるような作品が多いように思います。ところが、成瀬や小津のように脚本を練りに練って別にさほど予算をかけず、じっくり創り上げた映画がかえってずっといつまでも心に残ると言うことが多いと思います。決してかけた金額ではないのです。私にとってその一番いい例が「二十四の瞳」の満開の桜の下での電車ごっこのシーンです。私は何回も観てますが白黒なのにカラーに見えるのです。桜の花がものすごくきれいなのです。きっと目でだけでなく心でもその場面を見ているのでしょうね。もうそのシーンが素晴らしく涙なしでは見られません。だれかのセリフのまねですが、、
「映画って本当に素晴らしいですね!」